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1.サンワサプライ最初の光学式トラックボール(多分)
サンワサプライの廃止商品の検索をしてみても、これの前というと「ERGO TRACK」系統になるようなので、これがサンワの最初の光学式トラボなのでしょう。因みに、これの型番がMA-TB30UP*だけど、ストリームがMA-TB32UP*なので31は何処に行ったんだろう?と捜索してみたんだけど、発見出来ず、欠番だろうか?
それは兎も角、2002年3月頃の発売なのだが、他社の光学式親指トラボはというと、MSのTrackball Opticalが2000年11月頃に(アメリカで)発売され、LogitechのST-65UPiが2000年7月頃に(日本で)発売されているので、それらを研究した上で開発したと思うのが普通だろう。
話は変わるが、発売から2年以上が経過したのに、ネット上での評価がとても薄い機種である(これを書いているのは2004年末)。良いとも悪いとも評判を聞かないんだけど、店頭にはずい分と並んでいるので、買った人が居ないという事も無いと思うんだが、これはつまり良くも悪くも無いという事だろうか。
とはいえ、ここのところ兄弟機であるストリームのせいで、一緒に地雷扱いされてたりするのだが、それもあまり根拠が有りそうな評価ではなく、所謂風評被害みたいなものではなかろうか。
ということで、本来であればオレはレビューなど出来る程の知識も公平な視点も無いんだけど、ストリームの評価については責任が有る?ので、なるべく公平にスティングレーのレビューをしてみようと思う。
2.スティングレーの概要
スティングレーは親指タイプのトラックボールだ。ボタンは左右とホイール・真ん中ボタンの3ボタン式になっているので、特にドライバなど入れなくても普通の3ボタンマウスと同様に使える(個人的にはサンワのドライバは信用してないので入れてない)。
ボールは直径40mmと親指タイプとしては大きめ。大きすぎて親指では使い辛いという意見も有るが、個人的にはボールの大きさ故に使い辛いとは思わなかった。
値段はというと、普通のPC店で5k円程度と、同じ3ボタン親指トラボのST-65UPiより高め、5ボタンのTrackball Optikcalと比べてもやや高いくらいで、正直なところあまりコストパフォーマンスが良いとは言えない。
以下、分解画像などで各部の構造を見て頂く。
平べったいスティングレーの形状。
LogitechのST-65あたりを参考にしつつ、MSのTrackball Opticalのエッセンスを取り入れて・・・
というようなデザインに見えるんだけど、ボタンの大きさに対してクリックが軽すぎて、暴発しやすい(特に右ボタンが)。
また、これはオレの掌が大きいせいかも知れないが、高さが足りなくて掌の大半が接地せず、右後方の部分だけで支えるような塩梅になる。
裏面はスッキリしたデザイン。
ネジは5箇所で全部頭が見えてる。また、スポンジクッションが5箇所についていて、そのうちの4箇所でネジと隣接させてある。
なんとな〜く、あざといデザインのような気がしてしまうのだが・・・
製造番号から推定される製造時期は2004年8月とかなり新しいが、もしかすると製造ではなくて出荷の時期なのかも知れない(そもそも推定が間違ってるかも)。相変わらず、というかこれがサンワの最初の光学センサ式トラボだから当たり前だけど、操作感に配慮したとはあんまり思えないセンサの配置。
ほぼ真横向きで、やや後ろ側にシフトしている。
シャフト式のトラボに慣れてて、ボールの上の方を中心に操作する人には、かなり使い辛そう。
ま、ボールの横〜斜め上辺りを中心にすれば特に問題無いし、デザイン的にもそれがしっくり来るポジションでは有るんだけど・・・底に見えている5本のネジを外すと、そのまま上下に分かれる。
主要なパーツは全部下側に配置されている、この辺りもST-65に近い構造だけど、基板枚数は2枚と、ずい分とシンプル。
この状態でカップが2本のネジで止まっている以外は、固定されておらず、ガイドに乗っているだけ。あと、ホイールの支柱が裏蓋から立ち上がってる。
これを見るとセンサ基板の位置・方向がとてもイージーに決められてしまったという印象を強くする。左右ボタンと真ん中ボタンは3つともマイクロスイッチを使用しているが、クリック感は軽いタイプみたいだ。
上蓋にはボタンのパーツがネジ止めされている。基板の全体像。
リファレンス通りで、特に注目する所は無さそう。光学センサはアジレントのHDNS-2000(だと思う)。アジレントのセンサのラインナップは良く判らんのだけど、多分ストリームなどで使われてるADNS-2051より古いタイプなのかな?
解像度は400カウントのみのようだ。いつものサイプレスのマウスコントローラー。 センサ基板とカップの位置関係。
組み込み状態では、この画像で左が手先側で、右が手前側になる。
因みにオレが普通に操作すると、カップの仮想床面(カップの縁の平面)の中心より、さらに手前側が操作の中心となるので、前後方向では20度くらいはシフトする感じかな?
まあ、許容範囲ではあるが。センサ基板とカップの位置関係その2。
同じく画像上側が上で、下が下側だ。
カップの底を意識するなら、もう少し斜め下にセンサを付けてもバチは当たらないと思うんだけど。
同じくオレの操作の中心は、仮想床面よりやや上かな。なので、上下方向では30〜40度くらいはシフトする感じ。なので、許容範囲ぎりぎりかも。
3.スティングレーの詳細
<カーソル挙動>
仮想床面に対するセンサ位置に思想が見られないが、結果的には許容範囲に納まっていて、それが原因の挙動不審は見られない。ただし、光学センサの世代が古いせいか、急激な動きに対して動作が付いて来ないような傾向が有るので、ボールを弾くような操作との相性は悪いかも知れない。
但し、400カウントという移動量は親指トラボとしては大きめで、サンワのドライバの造りからしてそれより遅く設定する事が不可能なので、そのままでは少々使い辛いのではないかと思う。
これは、レジストリのMouse Sensitivityの値を変更(お勧めは4〜7辺り)すれば良いと思う。マウス関連のレジストリの詳細はこのページのその15・その16辺りを参照してみて下さい。
<ボールの動作>
ボールの動きは基本的には滑らかだけど、支持球が鉄球なので暫く(数ヶ月〜)使うと動きが重くなってくると思われる。これは鉄球支持の持病みたいなものなので、手っ取り早く治すには鉄球の向き(接触面)を変えるのがお勧め。その方法はカップの裏側から鉄球を突付いて外して向きを変えて再度セットするもの。無論分解する事になるので、自己責任でやって下さい。
支持球の配置は、仮想床面と平行なのだけど、もうすこし重力方向も意識して水平面寄りにした方が良かったのではと思う。現状では、ボールの下側の2個の支持球を通る大円が垂直に近くなってしまっていて、そのため、ボールの上の方から下に勢い良く動かすと「カタカタ」とブレてしまうので。
特に、ボールの上の方を中心に操作すると、それが気になると思われるが、そもそもこの機械はボールの横〜斜め上を中心に操作するモノなので、そうしている限りはそんなには気にならないと思う。
<ボタンの操作感>
左右ボタンはやや軽めのクリック感だけど、そんなに極端なものでも無く、どちらかというと問題だと思うのはボタンの面積がやたらと大きいので、特に右ボタンの上に中指と薬指が両方乗ってしまうので暴発しやすいのだと思う。これは手の形やポジションの相性の問題なので他の人では気にならないかも知れない、また慣れれば大丈夫かも知れない。
<ポジション>
あくまでオレの場合は、という前提だけど、フォルムが低くて掌の中心が浮いてしまう。また、上記のボタン暴発をしない為に指をボタン上に軽くしか置けないという側面も有り、オレ的には落ち着かないポジションだと感じた。
結局、なんとなくEM風のポジションになってしまうのだが、アレは人差し指(親指以外)タイプだから成り立つんだよな・・・
4.スティングレーはお勧めか?
結局の所、触って見て気に入った人にはお勧めできる(見た目で判らない罠は用意されていない)けど、ここが売りだ!という点が見当たらないし、あんまり魅力的なトラボとは思えないというのが正直な所だ。
まあ、地雷という程悪くは無い、という後ろ向きな評価で勘弁して下さい。